36 糀ASOBI
自分のごほうびにも、大切な人にも選びたくなる〈コウジアソビ〉の高道ロールケーキ
醸すとは、ゆっくり発酵させて良くすること。食卓も人生も整える〈糀〉を伝えたい。
ちょっとした休憩時間にもお祝いの贈り物にも。
春にはチューリップ、夏には濃い緑の香りが辺りを包む道沿いに、そっと佇む『糀ASOBI』。糀に惚れ込み、糀の良さを伝えるべく、中山さんが開いた糀スイーツ専門店です。
高道ロールケーキをはじめ、高道シフォン、高道フィナンシェ、ハレとケマドレーヌ、甘酒プリンそれらすべての生地に糀が使われているのだそう。高道ロールケーキで言えば、しっとりふんわり柔らかく、少しもっちり感もある奥ゆきのある味。たっぷりの生クリームはほのかな甘さで生乳のコクも感じられ、食感と甘みのバランスが秀逸! 食べるほどに心がほどけて、がんばる自分への労わりに……。また、大安吉日に生まれた卵を用いたハレとケマドレーヌは、「縁起がいい」と両家顔合わせや引出物などに重宝する人も多いのだとか。

「高道プリン」は糀から作られた甘酒入り。さらに低温殺菌牛乳を用いることで、深みのあるおいしさに。

しっとり焼き上げられた「高道フィナンシェ」は、塩糀(プレーン)をはじめ、庄川ゆず、富山エゴマ、抹茶、富山ブラック、五郎島金時と種類豊富
即行即止の考えを軸にチャンスを掴むということ。
中山さんが糀に魅せられたのは、お店を開くよりずっと前のこと。ターニングポイントが連続して2回来たと話します。
「ひとつは辻口さんとの出会いです。姪の付き添いで『スーパースイーツ専門学校』を見学した時に聞いた考え方もですが、再度、別件でお会いした時に『華道、茶道があるように、菓子道があってもいい』とも聞いて。それって、何かを極める人は自分の道をきちんと持っているということじゃないですか。そのプロ意識に感銘を受けました」
昔からケーキ屋をしてみたいとお菓子作りはしていたものの、当時は育児中。ママ友からの依頼でホールケーキを作ることはあっても、仕事にするまでは考えていなかったそう。「落ち着いたら何かを仕事としてやり遂げたい、やるなら新しいものを」と思うも、家事や育児に追われる日々……そんな中で訪れた、もうひとつのターニングポイントが『発酵食大学』でした。
「体は食べたものからできている、とはよく言われますよね。食卓を預かる母として、家族の健康を食で守れないかと考えていた時に、金沢の『発酵食大学』へ通う妹から話を聞いたんです。試しに豚肉を塩こうじに漬けて焼いたら、本当においしくなって」
これだ!と思って、ご主人に同校へ通いたいと相談したら「いいね!」と、これまた即行即止で支援され、家事や育児と両立しながら、発酵食を学んだ中山さん。履修後には糀の良さを広めるべく発酵食の料理教室も開講するも、小さな会場ゆえ少人数にせざるをえず、他に何かと考えていた時に、辻口さんの考えを思い出したのだそう。
「糀でケーキを極めて伝える。これが私の道なんだ、と」

どこか懐かしく、新しさも感じられるお店。「生乳塩糀ソフト」は、ジェラートのような食感と軽やかな甘さで、ほてった体をスッとやさしく癒してくれるおいしさ
まるで〈醸す〉ようなほのぼのおやつの奥深い想い。
ただ「おいしいケーキ」よりも、〈糀〉をキーワードとした「おいしいケーキ」それも、米飴やみりん、アガベシロップなどを使って、究極に安心して食べられるおやつを作ろう。家庭に〈糀〉を取り入れて「整う食卓」を作るきっかけとなるように。
そう考えて開発に取り組むこと約4年。納得できる材料を吟味し、味を探求して、まず高道シフォンができ、続いて高道ロールケーキが誕生。「小さな子どもはもちろん、大人も家事や仕事の合間につまめるように」と、かわいいサイズのおやつも次々登場し、そのどれもがシンプルなのに奥深く、しみじみおいしい。
糀のおやつを毎日とまではいかなくとも気軽に日常に取り入れて、だんだん心も体も穏やかになっていく。まるで〈醸す〉ような、深く優しい逸品です。
糀ASOBI
