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氷見市 鞍川

18 松木菓子舗

気持ちまでやわらかくしてくれる〈松木菓子舗〉の和菓子たち。

お菓子は人と人をつなぐもの。誰かの出会いにつながる味を作りたい。

ひとくちサイズでキュート!感性が光る新しい和菓子。

「蒸ヨンカク(むしよんかく)」を見つけたのは偶然。
 和菓子? 洋菓子? と迷ってしまうほど、「蒸」のデザインが印象的すぎるパッケージ。多色使いじゃなくて、無色。それどころか切り抜きだから、「引いて」さえいる。なのに、見入ってしまうデザイン。このパッケージの中にあるおやつは、どんな食感と味なんだろう……開けるのが惜しいと思いつつも、中はさらに食べるのが惜しい愛らしさ。羊羹をちょっぴり乗せたキューブ型のお菓子は、蒸しパンのようにもっちり、ふんわり、やわらかく(でもパンじゃないんです!)、卵・抹茶・ココア・梅の4つの味で、どれも素材の味が穏やかに口の中に広がります。
 通常の「蒸ヨンカク」と、季節の味の「蒸ヨンカク」がセットになった「蒸ヨンカク2(むしよんかくトゥー)」のパッケージには、よく見ると〈2〉が隠されていて、さりげなく店舗名もデザインされる遊び心も。
 このおやつを作ったのは三代目の松木さん。なんと、2年かけて開発したそうです!

いちじくをテーマとした、2021年の「とやま菓子コンテスト」で準優勝した「ひょうたん石」。箱までが丁寧で、プチギフトに喜ばれるおいしさ。

カステラ生地をミルクレープのように何重にもかさねた「十重二十重(とえはたえ)」。三代目として初めて作ったお菓子なのだそう

記憶に、身体に染みていた和菓子の親愛、親への信愛。

「父は僕が店を継ぐとは思っていなかったようで。意思を尊重してくれていたんでしょうね、『将来、継いでほしい』とは、ただの一度も言われませんでした」
 松木さん自身も「外のまちを見てみたい」と、三重県の大学へ進学。ひとり暮らしで多くの友人と出会い、まちをめぐり、2時間半かけて伊勢神宮にもたびたび参拝。「横丁や商店街で和菓子を見かけたら、『あ、食べたい』って、自然に手が伸びていました。卒論は商店街の小さなお店をいくつか取材して作成したり。今から思えば、無意識に〈和〉を実家を重ねていたのかもしれません」
 そんな大学時代に、「新しい道路ができるから、そこに店舗移転する」と両親から聞き、「三代目」について真正面から考えるきっかけに。これまで住宅街の路地でやってきたんだから、大きな道路に面したお店にしなくても……。そんな中、父の言葉がとても印象的だったと話します。
「『こぢんまりやるわ』と、ぽつりと。前々から、僕にも姉にも継いでくれとは言わない人でしたが、さすがにあの言葉は純粋に、さみしかった」

国道415号に面し、光がたっぷり入る明るい店内。 お菓子に使用している砂糖なども店頭に展示。 お店の裏には旧店舗の看板が大切に掲げられています

創業70余年続く和菓子屋の三代目としてできること。

 店を継ぐと決意し、大学卒業後に石川県の和菓子屋で3年修業、戻ってからは父の元で修業を重ねた松木さん。家の中とは違う、仕事での父の真剣な姿勢に驚きつつも尊敬を深めていったそう。
「石川の修行も家での修行も、レシピだけではなく、姿勢や掃除、道具の扱いなど基本も含めて、人間として大切なことを多く教わりました」
 その父が、2019年12月に急逝。
「前日まで飲みに出ていたのに、朝、起きてこない。本当に突然で」
 さらにコロナ禍による店舗休業や売上減と、さまざまなことが重なる中で、氷見の小さな和菓子屋ができることは何だろうかと考え続けたと話します。
「自転車通勤を始めた知人を思い出したんです。考えると、自転車に乗って眺める氷見の景色が本当にきれいで、実際にサイクリストも多い。体と心の健康にいいスポーツを楽しむ人のため、何か作りたい」
 そうして生まれたのが「CYCLEようかん」。自転車のお供にと配慮してひとくちサイズで、かつ、塩分多め。ミネラル補給にちょうどいいと思いつつも……「実は、お酒にも合うんですよ」と、こっそり教えてくれました。そのチャーミングな笑顔といったら!

氷見市 鞍川

松木菓子舗

店舗情報
店名
松木菓子舗
住所
氷見市鞍川1037-4
電話番号
0766-72-0983
営業時間
8:30~18:00
定休日
火曜
WEB SITE
https://www.matsukikashiho.jp

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