13 田村農園 たまご園
〈田村農園 たまご園〉の生活圏に溶け込んだ素朴で豊かなおやつ

新鮮な自社鶏卵をたっぷりと。〈たまご〉の魅力を伝えたくて。
地域と共存する小さな農園で「たまご」を感じるおやつを。
車から降りると、鶏舎の中から聞こえてくる鶏たちの鳴き声。バス停前には小さなアヒル園とヤギ園がそれぞれあり、グワッグワッ、メエェェ……と、これまたのどかな鳴き声が。水槽にはいろんな魚が泳いでいて、ここが住宅街だということを忘れてしまいそうなほど、牧歌的。動物たちはみんな愛らしくて、つい足を止めて見入ってしまいます。2002年にオープンした『田村農園たまご園』は、地域の人から穏やかに愛されています。でもどうしてここにお店を?
「『たまご』を感じてほしかったからです」
と答えてくれたのは、オーナーの田村さん。
「たまご農家として、ここで鶏を育てていたんです。採卵養鶏の鶏舎に隣接して直売所を開こうと思ったのは、難しい説明不要で『新鮮たまごのおいしさ』を伝えられるかなと」
管理上、鶏たちを見ることができないものの、元気な声やかすかなにおいで鶏たちの息吹を感じられて、思わず笑顔に。

市街地ながらも広い土地! 平地に鶏舎があるのは珍しいのだそう。「気軽に産みたてたまごを買いに行ける」と常連さんも多数。

コクがありつつなめらかな口どけの「きみソフト」(上)、食べるとほっとする甘さの「きみぷりん」(下)

純真な想いから作りはじめ気づけば楽しさに目覚めて。
たまごの滋味、魅力をもっと知ってもらいたい、それには「料理」だけではなく、「おやつ」なら、もっと気軽に楽しく親しんでもらえるのでは、と考えた田村さん。
「たまごを使ったお菓子を開発して、自分たちで作ろう。それも、シンプルに『たまご』を感じられるようなおやつを!」
と、産みたての自社鶏卵を惜しみなく使って試作を重ね、最初にお目見えしたのが、たまごたっぷりソフトクリーム「きみソフト」。続いて濃厚な「きみぷりん」、今夏には「きみコルネ」「たまごの焼き菓子」とおめみえ。
「きっかけは、うちのたまごをわかってもらいたい思いだったんですけどね、大切な鶏たちが産んだ大事なたまごですから、こちらも真面目に作りたい。そうして取り組むうちに、楽しくなって……」
気づけばおやつを考え、作ることにもハマっていったそう。
「たまご農家としてのメリットは、新鮮な自社鶏卵を惜しみなく使えること。たまご農家が作るおやつだからこそ、ふつうよりもやや強めにたまご感やコクのあるおやつを目指せますから。『もっとたまご入れてみようか』『いやこれくらいがちょうどいいかも』って、みんなで追求しています」
それを聞いて、納得。だからここのソフトクリームもプリンも、記憶に残るほど濃厚なのかと!



黄色が印象的な直売所の外観。ヤギ園の小屋もおそろいのデザインに。「たまごだけでなく、憩いの場になれば」との思いでヤギやアヒル、魚なども飼育中。あひるが産んだたまごが販売されているのは、知る人ぞ知る情報
素朴だけど深いおいしさは馴染みのおやつにしたい!
そんな濃厚なソフトクリームを、オーブンで焼いたコルネに詰め込んで冷やして。すぐに食べるのもいいけれど、ソフトクリームがちょっとだけ溶けるのを待って。さっくりとしたパイ生地に、ソフトクリームがじんわり染み込んでまたおいしい。また食べたいと思ったら気軽に行ける立地も嬉しい限り。
「平地に養鶏場があるのは珍しいでしょう。うちの鶏卵はnon-GMO(非遺伝子組み換え)・PHF(収穫後の農薬不使用)とうもろこし、地域の飼料用米で育てることで安全・安心を追求しています。衛生面や管理にも最大限配慮していますが、こうして続けてこれたのは皆さまのおかげです」
開店のきっかけのひとつは、開発した「きみソフト」を手渡す場所が欲しかったから。でも今では、訪れる人との会話や交流を通して、地域や人とのつながりを感じられることが一番の醍醐味。今年で19年目を迎え、すっかり顔なじみになった人も多いとか。
「自社鶏卵をはじめ、たまごの良さ、たまごの可能性を実感していただけるものを、これからも提案していければ」
ただただ真面目に、純粋に、素朴に。
これがまたいい味なんです。
田村農園 たまご園

店舗情報
- 店名
- 田村農園 たまご園
- 住所
- 富山市婦中町広田5519
- 電話番号
- 076-465-2245
- 営業時間
- 9:00~18:00
- 定休日
- 無休
- WEB SITE
- https://tamagoen.jp
- ■マスク着用 ■定期的な換気
- ※一部販売を終了している商品がございます