08 akipeco sweet kitchen
〈アキペコ スイーツ キッチン〉の物語を紡ぐ、夢の焼き菓子たち

絵本を開くように 楽しんでもらえたら。
オシャレでかわいすぎるクッキー詰め合わせ缶、発見。
初めて森さんのお店を訪れたのは、雪の日。ぼたんとも粉ともいえない白い雪が朝からしんしんと降りつもり、青緑色の小さな看板がふんわりと雪化粧されたような日でした。寒さで鼻を赤くしつつ約束の時間に着いたなと時計を確認して、扉をノックすると「お待ちしていました」と、
森さんのあたたかな声。
玄関先での販売スタイルに最初は驚くものの、もっと驚くのはその種類の多さ。場所が場所なので、先もって電話でオーダーを受け、玄関先でお渡しするというスタイルながら、予約なしでも訪れてくれた人へ何かおやつを……とのやさしさから、予約数以上の個包装のおやつをスタンバイしているそう。これらを全て、森さんひとりで作っているなんて!

定番はいちご&カスタードマフィンとブルーベリー&クリームチーズマフィン。食感は驚くほどしっとりで甘さ控えめ

大小さまざまのアイシングクッキーがずらり。人気は花とユニコーン
アイシングクッキーに込めたメッセージ。
クッキー缶は事前に電話でお願いするシステム。好みや希望などを聞かれますが、中にどんなクッキーが入っているのかは当日までのお楽しみなのです。両手にすっぽり収まるサイズの美しくかわいい缶を、ドキドキしながら開けると……ふわっと漂うバターの香りと、かわいすぎるアイシングクッキーがぎっしり。まるで宝石箱のようで、オトメゴコロわしづかみです!
丸い缶の中は仕切りをあえてつけずに、さまざまな大きさのクッキーを入れられるようにしているため、出るわ出るわいろんなサイズのクッキーたち。中には小指の先ほどのスモールサイズもあったり。
クッキーのデザインは「ユニコーン缶」「鳥と花と星缶」「桜缶」と何種類か定番がありつつ、オリジナル缶もあって、オーダー次第では世界にひとつだけのものになることも。想いやメッセージを表現してくれる森さんのアイシングクッキーは、発酵バターを使用してコクと香りの深さを出しつつ、ほっとする甘さ。おいしくて次々手が伸びてしまいます。それはケーキやマフィンも同様で、食べ始めから食べ終わりまでワクワクが止まりません。


始まりはコミュニティ。そして、キッチン。
おやつを作り始めたきっかけは、中学生の頃に食べたふわふわケーキ。
「ナイフがスッと入るほどやわらかくて。どうやったらこんな食感になるのか、探求心をくすぐられたんです」
そうしてお菓子作りに目覚めていった森さん。出産してmixiのママ友コミュニティに入り、地域のママ友とリアルに交流を深めるうちに森さんのお菓子が人気となり、お菓子教室を開くことに。パン作りが得意なママはパンを教えるなど、メンバーそれぞれの得意分野で「ワンコイン教室」をする中で、森さんは〈家にあるもので作れるお菓子〉を教えていたそう。キッチンにみんなで集まり、教え合い、時にはマンツーマンでレクチャーもして。
「みんな子どもが幼かったので、無添加のおやつがほしかったんですよ。周りに同じ悩みや状況の友人がいない時でしたから、ネットで同じようなママ友とつながることができて、心の支えにもなりました」
だから、店名の「キッチン」は、始まりの場所、思い出を大切にする気持ちを込めて。今も、森さんのおやつは添加物を一切使わず、毎回手作りです。身体にやさしいおやつはクチコミで評判を呼び、県内外のカフェに卸していた時もあったとか。どこかに出店する予定は?と訊くと、
「自分が納得できるもの、人に渡して後悔しないものを作り続けたいんです。だから、今のスタイルがちょうどよくて」
と、ちょっぴりはにかんだかわいい笑顔。ほんわかやさしい気分になりました。
akipeco sweet kitchen

店舗情報
- 店名
- akipeco sweet kitchen
- 住所
- 富山市婦中町添島509-30
- 電話番号
- 090-8264-2265
- 営業時間
- 10:00~18:00(予約訪問推奨)
- 定休日
- 不定休
- @akipeco0220
- ■消毒液の設置 ■マスク着用