33 idéal coffee & bake
気持ちがスッキリしてやさしくなれる〈イデアル コーヒーアンドベイク〉のケーキ

一回食べて満足ではなくてまた食べたいと思ってもらえるくらいのものを。
最後のひとくちまでおいしい丁寧なコーヒーとケーキ。
にぎやかな総曲輪から徒歩約7~10分とまち歩きにちょうどいい距離ながら、ゆるやかな空気に満ちた花水木通り。おしゃれなお店も増えてきているこのストリートで、2022年10月にオープンしました。
オーナーの島﨑さんがハンドドリップで淹れるコーヒーは、コーヒー豆本来の個性を感じることができるシングルオリジン。このコーヒーに合わせて楽しみたいのが、手作りのおやつたち。定番もあれば、季節のおやつもあり、この日選んだのはチョコとラムレーズンのパウンドケーキとスパイスチーズケーキ……さて、どのコーヒーを選んだらいいのかな。ちょっと迷っていると、「チョコとラムレーズンのパウンドケーキは、グアテマラのコーヒーと。スパイスチーズケーキは、インドネシア マンデリンのコーヒーと合いますよ」
と、そっと教えてくれました。

仕入れるコーヒー豆に合わせて、季節や期間限定のおやつも作るのだとか。

カウンター越しに見た、大きな窓。「ここから見るまちの景色も好き」とのこと
フードペアリングの奥深さにハッとさせられて。
「どちらか一方だけが主張する味ではなくて、どちらもおいしい。さらにペアリングすると、もっとおいしくなれるそういう、組み合わせの可能性が好きなんです。だから、コーヒーもおやつも主役の味。お互いの味や個性が強すぎないよう、単独のおいしさはもちろん、ペアリングのおいしさにも追求したくて」
オーダーしたケーキはどちらもやさしい甘さで、コーヒーと一緒に食べると味がほどよく際立つのが特徴的。チーズケーキで言えば、少しスパイシーで飲みごたえのあるコーヒーと合わせるべく、ケーキ生地にシナモンとナツメグを加えるなど、さりげない工夫が光ります。
聞けば島﨑さん、大学卒業後は事務職だったそう。その傍らにケーキ屋さんで販売のお手伝いをし、「おやつを介して、いろんな人と接するのがこんなに楽しいなんて!」と感動してカフェの道へ転身。いくつかのお店で経験を積む中で、フードペアリングを推奨しているお店がターニングポイントに。
「そのお店でコーヒーにハマったのですが、コーヒーだけじゃなく、スイーツもフードもそれぞれおいしい。それでいて、組み合わせて味わうともっとおいしくなる『フードペアリング』の考えに衝撃を受けたんです」

流れを生んで、つながりを育むストーリーのある時間をここで。
いつか自分のお店を持ちたいと、『純喫茶ツタヤ』には夢を打ち明けたうえで働くこと約6年。その中で『スイヨウカフェ』も開かせてもらい、堅実に経験を積んでいく中で、さまざまな人と交流し、気さくであたたかな人柄にふれるほどに、花水木通りでお店をするのもいいかも……と思うように。
「この花水木通りが好きで、個性あるステキなお店も多いので、閉じたお店よりも、サッと立ち寄って交流もコーヒーもおやつも楽しんで、気持ちをリセットできる。そういう『まちにひらけたお店』にしたかったんです。だから、ここは窓であり、入口でもあるんです」
と、ベンチを兼ねた階段のある大きな窓を見つめながら話す島﨑さん。まちとつながるデザインにしたいと建築士と話し合う中で「思いきって、ここは大きな窓にしませんか」と提案され、なるほどと感動。正面ドアも設けてはいるけれど、天気が良い時は大きな窓を開けることで、流れるような動線が生まれるのだとか。
オープンして、約半年。追求はしつつも、自然体で。島﨑さんが作るおやつの時間は、今日もおだやかに紡がれています。
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