31 クレープのお店 nicottosan
自分好みの味に気づき、探究心をくすぐる〈ニコットサン〉のクレープ

作り手が幸せな気持ちで作らないと幸せな味わいって出せないんです。
フワッ、モチッ、しっとり。最後のひと口まで幸せが持続。
「まず、生地ありき。生地が命で、全て!」の信念通り、なめらかで絶妙な弾力。かと思うと、ほのかな甘みも感じさせつつ、スーッととろけていく生地。くるまれているクリームやフルーツ、白玉、ナッツなどの具材とよく合い、食べると止まらなくなります。細部まで作る人の思いが込められたクレープが、こんなにも心に残るなんて。
初めて『nicottosan』に訪れた時はメニューの多さに圧倒されたものの、目の前で作られていく様子、10分ほど待って出来たてを食べる時のドキドキ感は格別。そして、選んだクレープが期待以上に自分好みで!
最初はバナナ入りのいちご。次はクレームブリュレにアーモンドを入れて。それから白玉、あずき、マロンを入れた和風クレープをチョイス。どのクレープも「最後のひと口まで生地もクリームもソースも具材も味わえるように」と、絶妙なバランスで配置。この満足感、食べた人ならわかるはず。

「私は大好きなクレープをいつでも楽しめるし、食べて『この味が好き』って共感してもらえると幸せ」。だから、生地の作り置きはしないのが早川さんのポリシー。受け取ったらすぐにでも味わって
新しいことに向かうのは怖いけれどチャンスがある。
「全て私が食べたいクレープで『最高!』と心から思う味。じゃないと、お出しできませんから」
と、店主の早川さん。どのクレープが好きかと訊くと、「クレープの生地そのものが好きなんです」との答え。
「私は幼い頃からお菓子作りが大好きで、家でよく作っていました。小学生の頃に姉と一緒に初めて食べたクレープのおいしさに感動して、ますますお菓子作りにのめり込みました。ですから、クレープの生地も理想とする配合をとことん追求し、納得のいく生地をイチから作っています。これは姉も同じです」
聞けば、早川さんのお姉さんは太郎丸本町のクレープ店『くれ~ぷmikazuki』の店主。現在は姉妹でそれぞれクレープを作っていますが、そもそものはじまりとなるクレープ店は姉妹で立ち上げたのだそう。
「当時、私は転職か続投か迫られていた時期。私の前職は飲食業ではありましたが、お菓子作りではなかったんです。そういう意味では新しい世界なので、正直、ためらいもありましたが、仮に続投したとして、先を考えると挑戦する方がいいなって。姉はクレープ店をしたいとずっと夢をあたためていましたし、思いきって、一緒に夢を叶えないかと声をかけたんです」

テイクアウトのみながらも、店内は広々快適。なお、駐車場は21~26番で計6台。『nicottosan』『くれ~ぷmikazuki』のロゴ、キャラクターはどちらもお姉さん作。豊富なメニューを見上げながら、次に来た時はどれにしようかと考えてみたり

一歩踏み出した先に待つおいしさの可能性とであい。
姉妹でクレープを作る中で、具材の配置や盛り付けの形など、さらなるオリジナリティを気兼ねなく追求できるようにと話し合い、それぞれに自分のお店を持つことを決め、『くれ~ぷmikazuki』が生まれたのだそう。『nicottosan』は2016年9月に水橋でオープンし、2021年5月に久方町へ移転、2023年で7年目に。
「誰かの真似ではなく、姉と作り上げてきたクレープです。特に生地は何度も調整・試食を繰り返してたどり着いたオリジナル。おいしい生地をおいしい状態で食べてほしいので、作り置きはしません。もう、生地を布団にして包まれて眠りたいくらい、大好きな生地なんです」
ここにあるのは、全て早川さんが試食した妥協のないクレープたち。それゆえ同じ味に固執せず、一歩踏み出して新しい味に挑戦を。たとえば、クレームブリュレの中にクリームチーズを閉じ込めたり。「えっ、この組み合わせ、自分好み!」と気づくと、「白玉もイケるかも」と探求心もむくむくと高まります。訪れるほどにワクワクできそうなおやつが、ここに。
クレープのお店 nicottosan

店舗情報
- 店名
- クレープのお店 nicottosan
- 住所
- 富山市久方町8-43 久方ビル1F
- 電話番号
- 090-7086-8621
- 営業時間
- 12:00頃~17:30頃
- 定休日
- 月曜、ほか不定休
- @nicottosan2510