06 Pâtisserie Délice
〈パティスリー デリース〉のよろこびの時間を呼ぶ焼き菓子

何度も繰り返し作り続けて
ふたりで育ててきた大切な味。
お菓子がもたらす嬉しさは大人になっても変わらない。
フランス語で〈よろこび〉の意味を持つ『デリース』で、今日も朝からお菓子を焼く、甘い香りがほのかに漂い始めます。友人の家に招かれるように、木の扉をそっと開けると……ショーケースにはツヤツヤのチョコレートケーキやフルーツタルト、季節のケーキたちが並び、壁にはキュートなクッキーやパウンドケーキ、ビスケット、ショートブレッドなどさまざまな焼菓子がいっぱいで、まるでおやつの宝箱のよう! 親子や女性が多く訪れるかと思いきや、真剣にお菓子を選ぶ男性も。満足げに袋や箱を受け取る姿は、これからどんなお祝いや楽しい時間が待っているのでしょう。
「お菓子を作るのも食べるのも好きですが、それ以上にお客様がお菓子を選ぶ姿が好きなんです。自分へのごほうびなのかな、誰かへのプレゼントなのかな。それを『デリースのお菓子にしよう』と選んでもらえたんだと思うと、本当に嬉しいんです」
訪れた人の背を見送りながら、奥様の真美子さんがにこやかに話してくれました。

ショーケース内に整然と並ぶケーキたち。隠れ人気はサントノーレ!
甘いものを食べた後の余韻はどうしてこんなに幸せなの!
ショーケースの奥にあるキッチンに立ち、リズムよくお菓子を一から作っていくのはオーナーシェフの公生さん。妻の真美子さんが焼成などのサポートをして、夫婦ふたりで美しさとキュートさを併せ持ったお菓子に仕上げています。
「シェフは幼少の頃からお菓子が好きで。料理も好きだったから、作ることそのものが楽しいんでしょうね。だから、食べると私まで楽しい気持ちになれるんです」
材料は富山県産にこだわらず、「自分たちがおいしいと思う味が作れるもの」を使用。材料を上乗せして複雑にする作り方ではなく、バターやアーモンドなど素材それぞれの味と香りを大切にしているため、ひと口ごとに素材そのものの味が舌にも鼻にも伝わってきます。コーヒークッキーは噛みしめると、あの喫茶店の情景が思い浮かんでくるほど滋味豊か。ショコラを用いたお菓子はこっくり濃厚で、食べる時だけではなく、のどを通った後にもショコラの香りが体の中にふんわり残ります。その余韻といったら!

店内に所狭しと並ぶ焼菓子は圧巻のひと言。シンプルでおしゃれなケイクが多い中、パンダやクマなどかわいすぎるクッキーに胸きゅん。贈り物もふだん使いもできる価格なのも嬉しい
作り続けてつながり続ける人との出会いと喜びを大切に。
「日々の喜びがちょっと増えたり、悲しみがちょっとは癒されたり、日常に寄り添うように、そんなお菓子が、いつか作れたら嬉しい」と、おふたり。この場所を選んだのも、代わり映えのない、でも、かけがえのない日常を感じられるから。中でもお店の中にある大きなガラス窓から見える景色が、とても好きなのだそう。陽光がやわらかく降り注ぐこの窓際にカフェスペースを作りたい、と真美子さんは考え中。
「これまでテイクアウトのみだったパフェを、この景色とともに楽しんでもらいたくて。きっと小さいスペースになるでしょうし、
世情も見ながらになりますけど」
2011年4月にオープンして、8周年ではぎゅうぎゅうにクッキーを詰めた「クッキー缶」と、『純喫茶ツタヤ』にお願いして「純喫茶デリース」を1日限定で開催。9周年は、子どもたちが楽しくお留守番できるようにと「おやつクッキー」を製作。そして、10周年その後も続く〈よろこび〉のお菓子作り。だから、また再訪したい。そう思わずにはいられません。
Pâtisserie Délice

店舗情報
- 店名
- Pâtisserie Délice
- 住所
- 富山市城川原2-2-25
- 電話番号
- 076-460-0673
- 営業時間
- 10:00~19:00
- 定休日
- 不定休
- @patisserie_delice
- ■消毒液の設置 ■入店人数の制限 ■マスク着用