28 SWD'S CRAFT BAKERY
まちの日常に馴染む、愛されベーカリー

2016年10月にオープンした同店は、自家製酵母と富山県産小麦を使用した安心安全なパンを提供するお店。温和な人柄のご夫婦にファンも多く、夕方には売り切れることもあるほどの人気ぶり。
─オープンの経緯を教えてください。
郁夫さん(以下、郁)ちっちゃい頃から料理が好きで、調理の学校出てからしばらくは調理師として働いとったんです。
香織さん(以下、香)ある時パンやりたいなって言いながら、パン屋さん勤めるようになって、そしたら自分でやりたいなって言いだして。
郁 6年勤めて、そっから独立して9年だから、もう15年ほどになったのかぁ。実は、調理の学校を薦めてくれた人が、節目で会う度に「パンもいいかもしれんよ。夫婦でやったらいいよ。」って言ってくれてて。それはずっと頭にあったんです。それが後押しになったのかも。
香 今は県外に行ってしまって、夫婦でパン屋やってること知らないんですけど。いつか報告できたらいいなぁ。

——いつからご夫婦で一緒に?
郁 22歳のときに結婚して、22年間一緒なんですけど。
香 すごいね(笑)歯がゆいこともいっぱいあるけどね(笑)
郁 もうギリギリですよ、もしかしてこの記事出る頃にはやばいかも(笑)
香 独立するときに仕事辞めて、お手伝いしようと。最初は足手まといにならなければいいなぁって。
郁 いまでは立場が逆転してしまい(笑)
香 そうそう、こっち(郁夫さん)が足手まとい(笑)

——毎日のルーティンや、心がけていることはありますか。
郁 ありますね!自分、いっこのことしかできんから(笑)
香 ルーティンは得意なんだよね!
郁 いつもと違うことが起こるとパニックになってしまうんで(笑)同じ状態に焼き上がるように心がけてはいますね。もちろん、毎日の気温とか湿度とかに合わせて色々変えるんですけど、でもこの夏はあまりにも暑くて、うまく焼けないパンもありました。
香 でもね、いつも「美味しくなーれ。」って思いながら焼いてるもんね。
郁 そう!「今日これ焼いたからあの人来てくれたらいいなー。きっと来るなー。」って、お客さんの顔を思い浮かべながら焼くがです。それで大体当たるんですよ。本当に来てくれるんです。
香 あとは、お客さんが「美味しかった。」って言ってくださることがすごく嬉しいって、もう頑張れる原動力はそれしかないっていつも言ってますね。
郁 めちゃめちゃそれが嬉しいです。お客さんってこの人(香織さん)に言ってかれんがです。自分奥にいるんで、なんとなく聞こえとるがですけど、もう一回おかわり欲しいので、「今お客さん何て言ってた?」って聞くがです。そしたら。
香 「何も言ってない。」(笑)もう毎日、毎回なんで(笑)
郁 もう最近は無視されます(笑)
香 ほんとにその一言が、疲れもぶっ飛んで、やってて良かったなって。そのためだけにやってるっていつも言ってます。

——お客さんとのエピソードはありますか。
郁 1~2時間喋ってかれる方は結構いますよ。昼の11時から夕方の18時までずっとおられたり(笑)自分もそれが嬉しいし楽しいです。
香 あと、家庭菜園のお野菜とか果物とか持ってきてくれてね。
郁 炊き込みごはんにしたからって。頂いたもので夜ごはん済んじゃうほどね。あと、結構いかつい感じの男の人が、でっかいトラック乗って来て、甘い可愛らしいパン買ってくがです。
香 ここでしか出会えない人と喋れて、楽しいし面白いよね。
郁 1年に1回、鮎釣りの時期に県外から来られるがで、「今年も来たよー!」って。それで「もう1年かぁ。」ってね。色んな人と会えたり喋れたりして、人と交流できるのが「パン屋やってて良かったなー。」って思いますね。
香 いつも本当にね、ありがとうございますしかないです。本当に感謝です。
郁 本当、年々思いますね。コロナの時とか地震の時とかも、心配して来てくれる方もいて。
香 また美味しかったよって言ってもらえるように頑張るしかないよね。
SWD'S CRAFT BAKERY
店舗情報
- 店名
- SWD'S CRAFT BAKERY
- 住所
- 富山市婦中町千里996-6
- 電話番号
- 076-464-3615
- 営業時間
- 10:30~18:00
- 定休日
- 日、月曜(不定休あり)
- 駐車場
- 店舗前4台