23 食堂天保 てんぽ
土蔵が語る岩瀬の記憶、脈々と受け継がれる一杯

食堂天保 チャーシューメン 1,280円


岩瀬生まれ岩瀬育ちの2代目・3代目と、お客さんの活気が、昔の賑わいを想起させる。



創業者の兄が元プロ野球選手の天保義夫さんだったことから、店内にはバッファローズのキャラクターグッズや優勝旗が飾られており、熱心なファンが集う隠れた聖地になっているとかいないとか。
時を経て愛される、温故知新の港町グルメ
富山湾を臨む港町・岩瀬。北前船で栄えた往時の面影を残す街並みに、一際趣のある土蔵造りの建物がある。昭和29年、惣菜店として創業し、やがて食堂へと姿を変えた『食堂天保』だ。戦後、テレビが普及し始めた時代背景から「テレビ食堂」として賑わい、岩瀬で働く人々の胃袋を満たしてきた。平成18年の修景事業で、この建物が200年以上前の北前船の時代に塩や昆布を貯蔵していた土蔵であったことが判明し、本来の土蔵の姿に改修した。
創業当時から愛され続けるのが「チャーシューメン」。先代から受け継ぎ、継ぎ足しを繰り返してきた醤油でじっくりと煮込まれたチャーシューは、角煮のように柔らかく、とろけるような口溶け。しっかりとした味わいでバランスの取れた醤油スープに、細麺ストレートがよく絡み、一口食べれば懐かしさがこみ上げてくる。

店内中央の大黒柱や天井の梁は今も健在で、38豪雪や能登半島地震にも耐えてきた力強さが、店の歴史を物語っているかのようだ。
気になる店名の由来実は…
天保時代との繋がりを尋ねられることも多いが、そうではなく、シンプルに創業者の苗字から取ったもの。ただし、天保通貨を店内に飾り、お店の暖簾やシャツのデザインに取り入れる遊び心に惚れ込んでしまう。
岩瀬の歴史と文化を大切にしながらも、訪れる人々を温かく迎え入れる『食堂天保』。観光客が増えた今でも、地元富山の人々への感謝を忘れない店主の想いが、今日も多くの人々に愛される食堂として、賑わいを生み出している。
食堂天保 てんぽ
店舗情報
- 店名
- 食堂天保 てんぽ
- 住所
- 富山市岩瀬土場町459
- 電話番号
- 076-438-0038
- 営業時間
- 11:00~14:00、17:00~21:00
- 定休日
- 水曜、第1・3木曜
- 駐車場
- 2台