特徴的な八角形が目を惹く外観。

カウンター席につくと目の前には大きなガラス窓。開放感あふれる空間。

八ヶ岳の恵み、『蔵元八義』が生む自然の奇跡

　富山の海が望める内川沿いに、ひときわ目を引く八角形の建物が佇んでいる。ここは物語を紡ぐかき氷店『やつよし』。警備会社代表から一転、店主の細川さんが目をつけたのは天然氷の世界。2013年、親族と共に『蔵元八義』を設立。山梨・八ヶ岳南麓の名水が、二週間の冬の厳寒を経て、不純物なき透明な氷へと育まれる。池をきれいに清掃し、水をかき回し続け、ようやく氷作りが始まったかと思えば、気温が高くなりすぎたり、雨が降ったりしたらまた一からやり直し。そうして途方もない困難を乗り越え生まれた氷は、まさに宝石のような輝きを放つ。
　そんな天然氷を届けたいと、2023年10月、『やつよし』をオープン。外観は『蔵元八義』の「八」にちなむ。屋根中央の赤い彩りは、かき氷のいちごシロップを思わせる遊び心。カウンターに座り、注文したかき氷を待つ間にも、正面に広がるのどかな景色にうっとりしてしまう。洗練された空間は、多くの人を惹きつけ、県外や海外からも度々ファンが訪れるという。
　『やつよし』のかき氷は、天然氷特有の、やわらかく、すっと溶ける舌触り。そしてその持ち味を最大限に活かすため、新鮮な生フルーツを使ったシンプルなつくり。シロップはフルーツと甜菜糖を混ぜ潰すシンプルな製法で、身体に優しい甘さ。素材のみずみずしさを閉じ込めるため、提供直前に一つひとつ丁寧に作られるこだわりの一杯である。この夏、八ヶ岳の恵み、『八義』の奇跡を、ぜひ味わってほしい。

宝石のように美しく輝く天然氷。

気さくなご主人と、穏やかな奥様。 とっても素敵な細川さんご夫婦。

テラス席ではドリンクやソフトクリームの飲食が可能。