29 パンとピエルロ
フルート奏者からパン職人へ

2022年12月にオープンした同店は、1日に約100種類のパンが並ぶ人気店。本場フランスの味と食感を再現したバゲットや、自家製バターを使用したクロワッサンが大人気!
——パン職人を目指したきっかけを教えてください。
実はわたし、音楽大学を卒業していて。フルートの勉強のためにフランス留学に行ったんです。最初は食文化になじめなくて、全然ごはん食べられなくて。フランス料理が難しくて分からなかったんですね。肉はでっかいブロックでしか売ってないし!野菜もどう処理したらいいか分からないし!だから美味しい日本食が食べたい!って思ってました。でも2年目に、フランス人のご主人と日本人の奥様のもとで間借りさせてもらったんです。そしたらそのご主人が貴族の出身で!週に2~3回パーティー開くんですよ!で、奥様は義母から伝統的なフランス料理を教わっていたので、すごく料理が上手だったんです。そこでわたしもフランスの料理とか食文化を教わって。わたしのルーツの根源はまずそこですね。あとは、近所に伝統的なバゲットのすごい美味しいお店があったんです。毎朝5時半にそこで焼きたてのパンを食べてから学校に行ってました!美味しすぎてほぼ毎朝食べてたから、味を覚えてたんですね。富山に帰ってきてからも、あの味が恋しくて…気づいたら自分で作ってました(笑)パン屋さんで働きながら勉強させてもらったり、本を見て習ったり、あとはフランス人ユーチューバーの動画とか見て独学したりして。ある程度納得いくバゲットが作れるようになるまで何年間もかかりましたよ。

——フルートでお仕事をしようとは思わなかったんですか?
フルートも現役でやってますよ!高校とか音楽教室で先生やったり!10年前は、フルート一本で食べていけない悔しさとか劣等感とかもあって、堂々とパン職人もやってます!って言えなかったけど。だけど、より多くの人に来てほしくて、自分のお店をやろうと思った頃から考えも変わりました!こういう時代だから何でもやりたいことやったらいいんですよ!(笑)

——沢崎さんにとってパンとは何ですか。
例えば、今日の夜ごはんがビーフシチューだとして、そこにバゲットを添えるとしますよね。そこでのメインは家族の楽しくてあったかい空間なんです。バゲットは皆さんの食卓をさりげなく、確実にアップグレードするもの、そういうものでありたいです。やっぱり美味しいもの食べたら元気になりますもんね。楽しいコミュニケーションの場をさりげなく照らして、生きる活力になるパンであれたらいいなと思っています。

パンとピエルロ
店舗情報
- 店名
- パンとピエルロ
- 住所
- 富山市向新庄町6-3-17
- 電話番号
- 076-460-2230
- 営業時間
- 6:00~16:30
- 定休日
- 無休
- 駐車場
- 店舗横7台